モンテッソーリ教育とは
モンテッソーリ教育は、イタリアのローマで医師として精神病院で働いていたモンテッソーリによって20世紀初頭に考案された教育法。
1907年に設立した貧困層の健常児を対象とした保育施設「子どもの家」において、その独特な教育法を完成させました。

モンテッソーリ教育の基本
その基本的な考え方は、子どもには生来、自立・発達していこうとする力 "自己教育力" があることから、その力を発揮するために、大人が一方的に教え込むのではなく、物的環境・人的環境を用意し、子どもが自己学習を学ぶことを目指し、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てることを目的としています。

モンテッソーリ教育の特徴
１：子ども中心の学習
 モンテッソーリ教育では、子どもの自然な好奇心と学習意欲を尊重します。子どもたちは自分の興味とペースで学び、保育士はそのガイド役となります。

２：調整された環境
学習環境は子どもたちの学習を最大限にサポートするよう整えられています。教室は子どもたちが自由に動き回り、自分で選んだ活動に取り組める空間となっています。

３：具体的な教具と教材
モンテッソーリ教育は具体的で実践的な教具と教材を使用します。これらは、理論的な概念を視覚的に触れることができる形に変えることで、子どもたちの理解を深めます。

４：混年齢のクラス
モンテッソーリ教育では年齢が異なる子どもたちが一緒に学びます。これは互いに学び合い、助け合う機会を提供します。

５：自己評価
テストを重視するのではなく、子どもが自分自身の進歩を把握し、自己評価を行うことをモンテッソーリ教育は奨励します。

５つの教育分野
モンテッソーリ教育には、５つの分野があります。
これらの５つの教育分野は、モンテッソーリ教育の理念に基づいて子供たちの成長と学習を支援し、個々の興味や能力を尊重することを重視しています。

１：生活の実践（Practical Life）
この分野では、日常生活の中での基本的な生活スキルや作業習慣、礼儀などを学びます。子供たちは、自分で身の回りのことを自立して行うことを学び、自己管理能力を身につけます。

２：感覚と秩序（Sensorial）
この分野では、子供たちの感覚を刺激し、感覚を通して物事を理解する能力を発達させるための教具・教材が用いられます。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などの感覚を活用して学びます。

３：言語（Language）
この分野では、子供たちの言語能力を発達させるための活動が行われます。音の発音、文章の読み書き、豊かな語彙力などが育成されます。

４：数と算数（Mathematics）
この分野では、数の概念を理解するための教具・教材が用いられます。数の数え方、数の大小比較、四則演算などが子供たちに教えられます。

５：文化（Cultural）
この分野では、子供たちに地理、生物学、歴史、美術、音楽などの様々な文化的な要素を学ぶ機会を提供します。子供たちは、自然や世界の多様性に触れることで広い視野を持つことができます。

発達段階での学ぶの内容
モンテッソーリ教育では、0歳から3歳、および3歳から6歳までの子供たちに対して、それぞれ異なる学びの内容が用意されています。
以下に、それぞれの年齢層における主な学びの内容を紹介します

0歳から3歳まで

生活の実践:
日常生活の基本的なスキルを身につけることが重要です。
自分で服を着脱したり、食事を取ったりするなど、自己の自立を促進します。

感覚と秩序
知覚を通じて世界を理解するための教材が用意されます。
色、形、音、触感などの感覚を刺激し、子供たちの知識と洞察を発展させます。

言語
言語能力を発達させるために、音の発音、単語の発音、
豊かな語彙力の育成などが行われます。教材や音楽によって言語の理解が深まります。

3歳から6歳まで

数と算数
数の概念を理解するための教材が導入されます。
数の数え方、数の比較、四則演算の基礎などが教えられます。

文化的な学び
地理、生物学、歴史、美術、音楽などの文化的な要素を学ぶ機会が提供されます。子供たちは広い視野を持ち、世界に対する理解が深まります。

科学
自然の法則や科学的な観察を通じて子供たちの探求心と好奇心を刺激する教育が行われます。自然科学への理解が深まります。

言語と文字
読み書きや文章作成が進んで行われます。自分の意見や想像を表現する方法を学びます。

創造的な活動
絵画、造形活動、音楽などの創造的な教材や活動を通じて、子供たちの創造性が発展します。

これらの学びの内容は、子供たちの年齢と発達段階に合わせて段階的に提供されますので、内容によっては、年齢で分けることなく学ぶこともございます。
モンテッソーリ教育は個々の子供の成長と興味に合わせて学びを進めることを重視しており、子供たちが自己のペースで学びを楽しむことができる環境を提供します。

モンテッソーリ教育から得られること
モンテッソーリ教育による子供たちの得られる６つのメリット

１：自己自立と自己管理の発達
モンテッソーリ教育は、子供たちが日常生活の実践を通じて自己自立と自己管理のスキルを育むことを重視しています。これにより、子供たちは将来の自己成長にも積極的に寄与できます。

２：好奇心と探求心の促進
モンテッソーリ教育は、子供たちの好奇心を刺激し、自発的な学びを奨励します。個々の興味に基づいた学びを推進することで、子供たちの学習意欲を高めます。

３：個別のペースでの学び
モンテッソーリ教育では、子供たちの発達段階や興味に合わせて学習が進められます。この柔軟性により、子供たちは自らのペースで学び続けることができます。

４：社会性と協力の発達
モンテッソーリ環境では、子供たちは自然にグループでの活動や共同作業を行います。これにより、子供たちは社会性を向上させ、他者との協力スキルを養います。

５：創造性と問題解決能力の育成
モンテッソーリ教育は創造性を重視し、子供たちの問題解決能力を発展させる教材や活動を提供します。創造的な学習が、子供たちの成長を促進します。

６：環境への理解と尊重
モンテッソーリ教育では、自然や環境への理解と尊重を育む教育が行われます。
子供たちは地球の持続可能性について意識を高め、環境への責任を理解します。

なぜ、モンテッソーリは、世界中から求められるのか？

モンテッソーリ教育が多くの人に求められる最大の理由は、発想力や集中力、行動力などといった、学んで得られることが難しい「非認知能力」を伸ばすことができることです。この力は、VUCA（環境が変化しやすく、将来を予測できない状態）といわれるこの時代を生きるうえで、必要な資質といえます。

モンテッソーリ教育を学んだ著名人

バラク・オバマ（アメリカ大統領）
ジェフ・ベゾス（Amazon創業者）
ラリー・ページ（Google創業者）
セルゲイ・ブリン（Google創業者）
マーク・ザッカーバーグ（Facebook創業者）
ジミー・ウェールズ（ウィキペディア創業者）
P.F.ドラッカー（経営学者）
ウィリアム王子、ハリー王子（英国王室）
クリントン夫妻（元米国大統領と国務長官）
アンネ・フランク（アンネの日記）
ガルシア・マルケス（ノーベル文学賞作家）
藤井聡太棋士（日本将棋連盟 棋士）など